うまい棒を541本食べてみる。


第1話

食後のデザートとしてうまい棒を2本買ってみた。
うん、うまい。

思えば私は物心がついた時からうまい棒を共に人生を歩んできたと言っても過言では無い。

食糧供給さえままならぬ戦後。
高度経済成長を目指し、死に物狂いで仕事に励んだ労働者を支えたのが「うまい棒」だった。
『安価で栄養(カロリー)のあるものを』
需要者と供給者の思いは合致しうまい棒は誕生した。(嘘

そんな背景があったかどうかは定かでは無いが、
厳格な父親の元で育った私は少ない小遣いの中から日々のおやつ代を捻出するのに頭を悩ませていた。

秘密基地でおやつを食べることがその頃の常であった。
お小遣いをたくさんもらえる子は袋いっぱいにおやつを買い、誇らしげに基地へと向かうのだ。
私はというと、ポケットに入る分だけしか買わなかった。買えなかった。
『僕も袋デビューしたい。袋いっぱいにお菓子を買いたい。』

そんな中、少年が出会ったのが「うまい棒」であった。
価格に対して菓子のサイズが大きいうまい棒は、まさに私の袋デビューを後押ししてくれた存在だったのだ。
もしもあの時、うまい棒が無かったら幼き頃の私は精神の安定を保てなかったかもしれない。
レジ袋に対するトラウマで、もっと悲しい人生になっていたのかもしれない。

そんなことを考えながら大人になった私は2本のうまい棒を頬張った。
うん、うまい。感謝の涙が止まらなかった。

「おいUGY!w 何泣いてるんだよ?www」
一緒に昼食を食べていた友人が尋ねる。

「あぁ、ちょっと目にうまい棒が入って・・・。・・・なぁ、お前ら・・・







うまい棒食べないか?


第2話へ続く


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